ボウジ山1号墳

おすすめ度(☆3.5)

★所在地:生駒郡三郷町南畑

★墳形:方墳(一辺15m)封土がかなり流出しており、墳形は不明です。西に派生する小屋根の南斜面の尾根の稜線より約4m下がった標高370mの地点に築造されている山よせの古墳。

★埋葬施設:横口式石槨に羨道が付いたタイプ。これは近接する平尾山古墳群にも類例する古墳が2基あり、ボウジ山古墳群は平尾山古墳群の支群の可能性が高いと思われます。羨道部は現状で長さが約5m、奥幅が1.6m、高さ1.4mで天井石が2石残り、比較的石材は原形を窺い知れることができますが、石槨部は底石のみが残っています。現状で全長2.8m、幅1.2m、高さ0.6mを測ります。石槨部を覆う施設は見られず、土壙に直接埋葬されたものと思われます。尚、羨道部の最前列の石組みの様子から、前庭部が存在していた可能性も考えられています。

★出土遺物:土師器杯蓋3、杯身7、須恵器杯蓋2、杯身2、低脚高杯2、甕(かめ)、瓦器、釘約12本、金環3、銀製柄頭、刀装具

★築造年代:7世紀中頃か?

★発掘調査:1985年(橿原考古学研究所で高安城跡第7次調査)

★被葬者:不明  

周辺に2号墳、3号墳があります。

●2号墳は径9m程度の円墳であったと思われます。無袖式の横穴式石室で、ほとんどの石材は抜き取られ、奥壁のみ残存し副葬品は残存せず。 

●3号墳は径8mの円墳?と考えられ、主体部は南に開口する無袖の横穴式石室。現存するのは奥壁1段、右側壁2~3段、左側壁1~2段だけで石室規模は全長6.1m、奥壁幅1.1m、入口部幅1.4m、現在高1.2mで横幅に対し全長が極めて長い石室。出土品は鉄釘2本、須恵器、土師器。現状は恐らく埋め戻されてると思われますが私は確認出来ていません。

 

【参考文献】 

・奈良県遺跡調査概報(第一分冊)1985年 橿原考古学研究所

・石の考古学(奥田尚氏)

・大和を掘る(1985年)(橿原考古学研究所)

 

行き方

  半壊しているとはいえ、数少ない大型の横口式石槨墳で、信貴山のどか村の臨時駐車場③の裏山にあります。登りやすそうな所から上に登ります。少し急ですが古墳は尾根の頂上から約4m下にあります。雑木で見通しが悪いので少し探しにくいかも知れませんが羨道部の石材がむき出しになっているので、ひたすら大きな石を求めて探してください。探索の楽しさが味わえる古墳です。