つじの山古墳

  近内古墳群最後の首長墓(5世紀後半)です。この地域は方墳が多く、つじの山古墳以外にも五条猫塚古墳塚山古墳西山古墳、青墓古墳等があります。近内古墳群の被葬者は、紀氏の一族で朝鮮半島の影響があるのではないかとの説もあります。一辺52mの大型の方墳で、墳丘の大きさだけでいえば石舞台古墳に匹敵する大きさです。墳丘は雑木が少なく容易に上り観察が可能です。周濠は改変され、水田や畑地になっていますが痕跡がなんとなくわかるかと思います。

おすすめ度(☆3.5)

★所在地:五條市近内町

★墳形:方墳(一辺52m、高さ9m)周濠跡あり。葺石、埴輪(周濠部で発見されているが築造時は造出部と外堤の上面に円筒埴輪、朝顔形埴輪、鰭付埴輪が立て並べていたと思われる。)

★埋葬施設:不明

★出土遺物:周濠部より円筒埴輪及び木製品、須恵器片、石見型盾形木製品

★築造年代:5世紀後半

★調査:1974年(発掘調査)。1998~2000年(範囲確認調査)この調査では、墳丘東側に舞台状の造り出し(長さ5.5m、幅20m、高さ1m以上)が発見され話題になった。

★被葬者:不明 (紀氏の一族?)

★奈良ソムリエ検定テキスト掲載古墳(近内古墳群として)

 

【参考文献】

・五條文化博物館 令和2年度秋季企画展「五條の古墳を掘る」解説文集

・日本の古代遺跡6奈良南部(楠元哲夫氏ほか)

・大和の古墳Ⅰ(泉森皎氏) 

 ・大和の古墳を語る(泉森皎氏ほか)