ごじょうねこづか

五条猫塚古墳

 古くから知られる五条市の代表的な古墳です。墳丘の保存状態は比較的良好です。先に五條博物館で猫塚古墳の出土品などを見てから現地訪問がおすすめです。イメージしやすく、改めてこの古墳が持つ、この地ならではの、他地域との交流関係が理解できるかと思います。規模的には目立たない古墳ですが、豊富な副葬品には目を見張るものが多く、特に蒙古鉢形眉庇付冑や帯金具、鉄製鍛冶具のセット等は我が国の古墳出土品としては大変貴重な珍しいもので、外国文化との交流を明確に物語る超一級の出土品です。

おすすめ度(☆4.0) 

★所在地:五條市西河内

★墳形:方墳(一辺約27m、高さ約5m)周濠の痕跡あり。2段築成、葺石あり、円筒埴輪列が墳丘裾近くと、墳丘平坦部、石室周囲と3重に巡っており、更に墳頂部に家型、きぬがさ型などの形象埴輪があった。

★埋葬施設:緑泥片岩、板石の小口積みの竪穴式石室(長さ5.2m、幅0.7~0.9m、高さ0.9m)木棺か?

★出土遺物:石室内から埴製枕、朱文鏡・甲冑類と多くの鉄鏃が出土し、石室外にも副葬品を納める施設が存在し、蒙古鉢形眉庇付冑をはじめ頸甲、帯金具、鉄鏃、鉄製鍛冶具のセットが出土し、多くは朝鮮半島との関連性が強くうかがえるものである。

★築造年代:5世紀中葉

★発掘調査:1958年、1990年(測量調査)

★被葬者:渡来系の鍛冶集団を統率した人物か?

★奈良ソムリエ検定テキスト掲載古墳

 

【参考文献】

・日本の古代遺跡6奈良南部(楠元哲夫氏ほか)

・吉野川紀行 橿原考古学研究所付属博物館 春季特別展 

・大和の古墳を語る(伊藤勇輔氏) 

・大和の古墳Ⅰ(泉森皎氏)

・近内古墳群 (橿原考古学研究所 ) 

・遺物が語る大和の古墳時代(泉森皎氏・伊藤勇輔氏)

 

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