ちかうちかんすづか

近内鑵子塚古墳

 県下の円墳では奈良市の富雄丸山古墳、大和高田市のコンピラ山古墳に次ぐ直径85mを測る巨大円墳です。向山丘陵の最高所に位置し、近内古墳群の盟主的な古墳で古墳群中、最も古い時期に築造されたと考えられています。この古墳群は大型の円墳と方墳が多く、前方後円墳を含まないのが特徴です。墳丘裾は地元の墓地となっていますが、墳丘に上る事は可能で地域最大級を誇る墳丘の大きさと墳頂部の埋葬施設跡と思われる径8m、深さ1.5mの大きな凹みが見ものです。(但し墳丘は雑木林の状態で、道はありません)

おすすめ度(☆4.0)

★所在地:五条市近内町

★墳形:円墳(径85m、高さ12.5m)全面に葺石及び埴輪あり。2段築成。周溝一部残存。

★埋葬施設:箱式石棺(墳頂部盗掘抗から緑泥片岩の板石が発見され板石には組合式にする為の溝が掘り込まれており埋葬主体の箱式石棺とおもわれる。)

★出土遺物:滑石製勾玉1点、円筒埴輪、形象埴輪、家形埴輪。

★築造年代:5世紀前半(出土した埴輪より)

★発掘調査:戦後まもなく末永雅雄氏等で調査されている(詳細不明)

★被葬者:在地豪族 

★奈良ソムリエ検定テキスト掲載古墳(近内古墳群として) 

 

【参考文献】

・近内鑵子塚と葛城(葛城市歴史博物館刊)神庭 滋氏

・日本の古代遺跡6奈良南部(楠元哲夫氏ほか)

・五條市史 新修(五條市)

・大和の古墳を語る(伊藤勇輔氏) 

・大和の古墳Ⅰ 奈良盆地周辺の古墳(泉森皎氏)