やまとてんじんやま

大和天神山古墳

 県道拡張工事の為、緊急発掘後,南北の主軸方向に真っ二つに削られ、墳丘の東半分が道路、残された西半分は神社の一部となっています。埋葬施設は合掌式の竪穴式石室ですが、自然崩壊で、石材が埋葬施設内に落込んでいた為、盗掘を免れ多くの遺物が埋葬時のままの状態で見つかっています。木櫃の周辺には銅鏡が23面も並べて置かれ、その中央には粉状の朱が41キロも納められいるのが発見されました。しかし人体埋葬については全く痕跡が見つからない事から、すぐ近くの行燈山古墳(崇神天皇陵)の陪冢で副葬品の一部が納められた可能性があるとの考えも示されています。(但し現在も陪冢には治定されていません)2009年6月に発掘後半世紀を経て、土地所有者の了解が得られたため県史跡に指定されました。(出土品は2002年に既に重要文化財に指定済み)

おすすめ度(☆3.5)

★所在地:天理市柳本町天神

★墳形:前方後円墳で前方部を南に向ける。(全長103m、後円部径56m、前方部幅47m)葺石あり、埴輪なし

★埋葬施設:後円部に合掌式竪穴式石室(全長6m、幅1.4m、高さ1.2m)石室中央の主室と両端の副室に別れる。

★棺:木櫃(もくひつ)と言われる木製容器があったが人体埋葬の形跡なし

★出土遺物:23面の青銅製鏡、鉄剣、鉄鏃、刀子、鎌、ヤリガンナ、板状鉄斧、朱(42キロ)

★築造年代:4世紀頃

★発掘調査:1960年  

★奈良ソムリエ検定テキスト掲載古墳(天神山古墳として)

 

【参考文献】

・天理の古墳100(天理市教育委員会) 

・遺物が語る大和の古墳時代(泉森皎氏・伊藤勇輔氏)

・大和の古墳を語る(河上邦彦氏ほか)

・山の辺の道の遺跡を訪ねて(天理市教育委員会)

 

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