星塚1号墳・2号墳

 近鉄二階堂駅駅のそばの線路沿いにある古墳で目印は共同墓地です。現状は大幅に改変され墳丘部は墓地に、周濠は公園に改変されており、住宅街のある東側(説明板の上の道路)から見ると周濠部と墳丘部がわかり易いかと思います。特に見どころはありませんが星塚古墳と言えば、なんと言っても笛状木製品の存在でしょう!

おすすめ度(☆3.0) 

★ 所在地:天理市二階堂上ノ庄町

★概要:現在共同墓地となっている2号墳周辺の水田を発掘調査中、埋没古墳(1号墳)が発見され、2号墳はこの1号墳の一部を壊して築造され、更に近鉄天理線の踏切の南側に2号墳に隣接した形で3号墳(詳細不明)があった事も判明しました。(現在見ることが出来るのは2号墳のみで、墳丘が共同墓地に改変されたため、今は僅かに周濠のみ、その面影を留めます。)

 

●1号墳(埋没古墳)

★墳形:鎌倉時代に削平されたようですが調査の結果、前方部を北西に向けた前方後円墳(帆立貝式)と判明しました。全長は約38m、後円部径は約26~27m、前方部は2号墳の外濠により一部削られ正確な長さは不明。周濠幅は5~8m、深さ0.8m

★埋葬施設:不明

★出土遺物:周濠跡から埴輪、須恵器、土師器、木製品(板材の削りクズ、槌、琴状木製品、笛状木製品等)が出土し、中でも笛状木製品は北側の周濠の括れ部付近から出土した大変珍しいものです。

★築造年代:6世紀初頭

★発掘調査:1985年(天理市教育委員会)

★被葬者:不明

 

●2号墳

★墳形:帆立貝式の前方後円墳と考えられますが前方部は既に失われ、残された後円部も今は共同墓地になっています。現状規模は南北約27m、東西約30mを残していますが、古墳としての面影はありません。尚、墳丘の周りは二重の周濠が巡っています。

★埋葬施設:全長約7mの横穴式片袖式石室で玄室は長さ4.7m、幅2.3m、羨道部長2.3mで凝灰岩製の組み合わせ式の石棺の底石と蓋石の一部が残されていました。床面では排水溝も検出されています。

★出土遺物:金製垂飾付耳飾、各種の玉と鈴鏡、象嵌文様のある円筒柄頭、水晶製三輪玉、馬具、須恵器、銅椀の蓋。特に柄頭は金、銀線の象嵌によって亀甲のつなぎ文を前面に配し、亀甲の中に向かい合う鳥が書かれ、このような文様形式を持つ亀甲文はわが国では珍しいとされています。

★築造年代:6世紀前半

★発掘調査:1952年、1985年

★被葬者:不明

 

【参考文献】

・天理の古墳100(天理市教育委員会) 

・継体天皇とヤマト(橿原考古学研究所付属博物館)

・大和を掘る(1985年)(橿原考古学研究所)

 

 

 

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