しぶたにむかいやま

渋谷向山古墳(景行天皇陵古墳)

 全長は県内で五条野丸山古墳についで2番目、全国でも6番目、前期古墳に限れば日本最大の古墳です。幕末以前に崇神天皇陵とされた時期もあったのですが、慶応3年に景行天皇陵となり、現在に至っています。この古墳も「山の辺の道」沿いにあり観光シーズンには多くのハイカーで賑わいます。周濠は一周出来ますので、周辺ののどかな風景を楽しみながら、その大きさを実感されるといいでしょう。

おすすめ度(☆5.0)

★所在地:天理市渋谷町

★墳形:前方後円墳(全長300m、後円部径160m、後円部高26m、前方部幅170m、前方部長130m、前方部高24m)東西に主軸を置く。周濠は現在9箇所に区切られているが築造時の姿ではありません。特に前方部前面が、幕末の修復時に拡張され、形状が大きく変化しています。その他は細い周濠が巡り、渡堤以外は比較的築造時の姿をとどめています。墳丘は3段築成で葺石があり、埴輪片も発見されています。

★埋葬施設:後円部頂部で径42mの平坦面に、複数の埋葬施設の存在が推定されています。

★出土遺物:須恵器、土師器等の土器や埴輪。石枕(1864年出土と伝えられ、関西大学にあり重要文化財に指定されています。) 

★築造年代:4世紀中頃

★発掘調査:1966年から数次(周濠の外堤と墳丘裾の護岸工事に伴うもの)

★被葬者:景行天皇?

★奈良ソムリエ検定テキスト掲載古墳

 

【参考文献】

・天皇陵古墳を歩く(今尾文昭氏)

・遺物が語る大和の古墳時代(泉森皎氏・伊藤勇輔氏)

・大和の古墳を語る(泉森皎氏ほか)  

・日本の古墳と天皇陵 限定公開の発端と公開20年の学問的成果(甘粕健氏)

・「天皇陵」総覧 景行天皇陵(青木勘時氏)

・歴史読本 古代天皇と巨大古墳の謎 崇神天皇の陵墓は行燈山古墳か(河上邦彦氏)

・大和の古墳Ⅰ 大和における前期古墳の立地と構造(泉 武氏) 

 

 

行き方