コナベ古墳

  コナベ古墳は、奈良県奈良市法華寺町にある古墳です。佐紀盾列古墳群の東群に位置し、全長204mの前方後円墳です。墳丘は3段築成で、後円部は直径125m、高さ21m、前方部は幅129m、高さ19mです。周囲には10基の陪塚があります。明治時代に大阪造幣局の技師ゴーランドにより墳丘図が紹介されたことでも知られています。墳形が応神陵と似ており、百舌鳥古墳群や古市古墳群と共通した要素を持っていることが特徴です。築造は5世紀前半と考えられています。被葬者は明らかではありません。

おすすめ度(☆4.0)

★所在地:奈良市法華寺町字小那辺

★墳形:前方後円墳(全長208m、後円部径131m、高さ20m、前方部幅129m、高さ17.5m)前方部を南に向けています。3段築成でくびれ部の両側に造り出しあり幅40mの盾形の周濠が巡っています。埴輪、葺石を持ち円墳1基と方墳9基の陪冢を持っています。

★埋葬施設:不明ですが、前王廟陵記(1696年刊)という歴代天皇の陵墓研究書には、墳丘内に石材の露出と円筒埴輪がある事が書かれています。

★出土遺物:円筒埴輪、壺型、家形、柵形埴輪など

★築造年代:5世紀前半

★発掘調査:1979年、前方部南側の外堤護岸工事のため、事前調査が実施され埴輪列が発見されています。近年では、2009年護岸工事に伴い初めて墳丘裾部のみ発掘調査が実施されています。同年12月4日にこの部分のみ研究者(37人)に公開され、造出し(東側約50m、西側約30m)の西側上面で見つかった家形や柵形の埴輪、墳丘1段目のテラスの円筒埴輪などが確認されています。その他、葺石は下方に約10㌢の小さな石を敷いた上に、約30㌢の大きさの石を重ねていた事も判明しています。

★被葬者:不明 (江戸時代には元正天皇の「奈保山西陵」とする考えがあったようですが、もちろん時代が合いません。近世まで法華寺の所有地が1885年に「御陵墓見込地」になり、現在は「小奈辺陵墓参考地」となっています。

 

【参考文献】

・ヤマト政権の一大勢力 (今尾文昭氏)

・天皇陵古墳を歩く(今尾文昭氏)

・大和古墳めぐり(前園実知雄氏ほか)

 

行き方

この古墳も「歴史の道」沿いにあり他の陵墓と合わせての見学がお勧めです。