ごこくじんじゃまえ いけなか

護国神社前池中古墳

 護国神社の西側にある新池と呼ばれる池の中にある円墳状の古墳です。写真のように雑木と雑草に覆われています。数年前、太陽光発電用のパネルが池の中に設置され景観が一変してしまい「池中古墳」という名前に違和感さえおぼえます。古墳の墳丘は残されていますが、こんなことが許されるんですね。悲しくなります。この古墳に対する考古学的資料は殆どないため「奈良市史」から引用して掲載させていただきます。以下原文です。

「護国神社の西に接して存在する池の中に、島のように見える一基の円墳のようなものがある。この古墳は全山雑木と下草が繁茂していて、高さは水面から4m、幅約13mぐらいある。全山に小砂礫が多く、葺石の如く見えるものである。付近には須恵・土師器の破片が散乱する。この古墳の現状では円墳として立派な封土を持っているが、実は護国神社造営の際の参道が狭い為、池中の土砂を掘り出して造成されたものであって、しかも主として掘りだされた部分は、本墳の北部辺の高所であったことを筆者は実見したことがあり、この高所が仮に前方部に相当する部分と考えるならば、南北に主軸を持つ本墳は、立派な前方後円墳であったと考えても別段差支えないように思われる。しかも埴輪を有するもので、しかもまたこの池が元は本古墳の環隍であったと推定するならば、これまた丘陵先端部に造成された前方後円墳としては、車塚とともにこの付近きっての立派な古墳と言えよう」とある。 

おすすめ度(☆1.0)

★所在地:奈良市古市町

★墳形:円墳?奈良市史には幅13m,水面からの高さ4m)前方後円墳の可能性もある。

★埋葬施設:不明

★出土遺物:土師器、須恵器、円筒埴輪片

★築造年代:古墳時代中期

★発掘調査:未

★被葬者:不明 

 

【参考文献】 

・奈良市史

 

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