なんざん

南山古墳

おすすめ度(☆4.5)

 南山古墳は鳥見山から南東に派生する一尾根上に築造された漆喰を用いた磚積式石室を持つ古墳です。前々からすばらしい古墳だと噂には聞いていて、見たくてたまらない古墳のひとつでした。ただ同じ磚積式石室の舞谷古墳群同様、痛みが激しく羨道部は崩壊し、玄室部も奥壁に近い天井石が二つに割れて玄室内に落ち、石室内には入る事は出来ません。開口部のわずかに開いた隙間から覗くと、奥壁の一部と奥壁に向かって右の側壁が辛うじて見える程度です。それでも暗闇の中で懐中電灯で見た漆喰の神秘的な美しさに感動をおぼえました。しかし1992年頃の写真と比べると崩落の状態が激しく、磚積式石室は構造上から、早急な保存対策が望まれます。

★所在地:宇陀市榛原萩原

★墳形:円墳?(南北18m、東西17m、高さ1~4.5m)南に開口している。外護列石あり(墳丘南裾で12.5m)

★石室:榛原石を漆喰で固めた磚槨式古墳で全面に白色漆喰で塗布されています。(全長5.6m)玄室長3.3m、幅2.2m、高2.6~3m、羨道長2.3m、幅1.3m、復元高1.5m、室生安山岩(榛原石)羨道部は半壊。奥壁、側壁は現状で15~17段の榛原石を積んでいる。現状床面から約1.7mの所ぐらいから内傾させています。

★棺:不明

★出土遺物:須恵器,土師器の破片

★築造年代:7世紀前葉~中葉

★発掘調査:1992年(範囲確認調査)1994年(前庭部及び南裾部、羨道部の発掘調査)

★被葬者:?

 

【参考文献】  

・大和国古墳墓取調書(野淵龍潜氏編)

・大和を掘る 1994年(橿原考古学研究所)

・日本の古代遺跡 奈良中部(寺澤薫氏)

 

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