かすがのみやひ

春日宮天皇妃陵

 光仁天皇の母で、万葉集でもその名を知られる志貴皇子(追尊して春日宮天皇)の妃の紀橡姫の陵に治定されています。紀橡姫は709年に吉隠で薨ぜられ葬られたと延喜式にはありますが、長らく不明で明治27年に、この場所に治定されました。しかしながら、その経緯も「この山の草を、牛馬に与えると食わない」という事も、決めてのひとつになったようで、奈良県遺跡地図には古墳として認知されてはいますが、この時代にこんな山奥の山頂に古墳を作るか?という疑問も残ります。

おすすめ度(☆3.5)(探索の楽しみという面で) 

★所在地:桜井市吉隠(よなばり)・宇陀市榛原角柄(つのがわら)

★墳形:円墳?(径30m、高さ4m)

★埋葬施設:横穴墓?

★出土遺物:不明

★築造年代:不明

★発掘調査:未

★被葬者:紀橡姫(きのとちひめ)吉隠陵「春日宮天皇妃陵」。他に但馬皇女の説もあり。

【参考文献】

・郷土  桜井文化叢書(2)
・奈良県遺跡地図
・万葉挽歌と終末期古墳(福島隆三氏)

行き方

国道165号線を初瀬から榛原に向かう途中、角柄付近で国道の左側に春日宮天皇妃の行先表示があります。ここから山道に入り、約800m登ったところに古墳があります。陵という事もあってか山道ですが、それなりに管理されています。しかし結構な登り道で健脚向きのコースかと思います。雨の降ったあとなど急坂なので滑りやすく注意が必要です。古墳として特別な見所はありませんが、古墳探索や万葉集が好きな方には、おすすめです。