しょうげんいんかぐやま

松源院香久山古墳

 この古墳のある松源院は京都の大徳寺の最高顧問を務めた立花大亀が、明治初期に廃仏毀釈で廃絶した大徳寺の塔頭寺院の松源院を、昭和55年この地にあった山岡家住宅を買い取り、禅寺として再興したものです。境内には 立花大亀が収集した民芸品などを集めた大亀民芸館もあり古墳はこの民芸館の裏の丘陵にあります。探索前はさほど期待してなかったのですが、石室もこの地域では結構大き目で、なかなかのもの!!施錠されていますが扉自体が壊れてて、石室内に入れました。但し写真でもわかるように、玄室の天井石が石材で補強されているものの落ちそうな感じで怖いです。(小生は奥壁まで行きましたが危険防止の為、離れて観察された方がいいと思います。)宇陀の古墳探索では是非見ておくべき、お薦め古墳です。 

おすすめ度(☆4.0) 

★所在地:宇陀市大宇陀迫間398-1

★墳形:円墳、径18m、現高4.2m(前方後円墳の可能性もある)南に開口。

★石室:両袖式横穴式石室(推定全長9.6mで玄室長は西側で約3.9m、東側で3.6m、幅は奥壁部で約2.1m、玄門部で約1.9m、高さは約3m。羨道部は現長が4.7m+α、幅は玄門部で1.3m、羨門部で1.2mで高さは約1.4m。

石室内は盗掘で玄門部の天井石と東側壁石上段が抜き取られ、奥壁寄りの天井石は崩落寸前のため補強されていますが今にも落ちそう。奥壁は4段、側壁は5段積みで天井石は4枚、羨道部は3~4段積みで天井石は元々4枚あったようですが1枚抜かれています。

★棺:鉄釘が出土している事より、木棺の可能性が高い。

★出土遺物:須恵器、土師器、鉄鏃、鉄釘、かすがい、鉄斧、刀子、釜状鉄製品、耳環

★築造年代:6世紀後半(副葬品及び石室構造より)

★発掘調査:1983年(昭和58年)

★被葬者:不明

 

【参考文献】

・松源院境内香久山古墳(花園大学考古学研究室編)

・大宇陀町史 

・大和飛鳥考古学散歩  (伊達宗泰氏)

 

行き方