あべやま

安部山古墳群

 丘陵南部の通称安部山と呼ばれる、屋根上に築かれた前方後円墳1基と、円墳6基で構成される小規模な古墳群です。うち円墳の3基(2号、3号、7号)は消滅しています。出土遺物からいずれも6世紀代の古墳と考えられ埋葬形式は石棺直葬が多いようです。解説板は4~6号墳のある9号児童公園に有ります。但し夫々の古墳に表示はないので遺跡地図等で事前に確認が必要です。1号墳は西谷公園内にあり、前方後円墳なのですぐわかります。全て墳丘上には登ることが出来ますが石棺等は埋め戻されたのか見ることは出来ません。 

おすすめ度(☆3.5)

★ 所在地:北葛城郡広陵町

●1号墳・・・(西谷公園内で保存)全長42m、後円部経25m、高さ3m、前方部幅20m、高さ1.5mで葺石有りの小規模な前方後円墳で、この古墳群での盟主の墳墓と考えられます。埋葬施設(後円部)は木棺直葬で、棺の周囲に人頭大の石により排水施設が作られ、木棺の西小口で集水後、石組暗渠で南側くびれ部に排水する構造を持ち排水溝に石と共に埴輪片が使われています。出土品としては棺内から勾玉、金環、石製模造品、鉄槍、ヤリガンナ、須恵器等、棺外から土師器、須恵器が出土しています。調査は1971年に真美ヶ丘ニュータウンの造成に伴ない行われています。

4~6号墳は9号児童公園内で保存

●2号墳・・・(消滅)経20mの円墳。刀、刀子、馬具、須恵器が出土。

●3号墳・・・(消滅)経12mの円墳。鏃、馬具、土師器、須恵器が出土。小竪穴式石棺(詳細不明)

●4号墳・・・経20m、巨大な土壙の内に組合せ式石棺を入れています。半壊していますが底板と側板2枚は完存。環頭、太刀、土師器、須恵器が出土しています。

●5号墳・・・経15m、組合式石棺直葬で金環、銀環、鏃、土師器、須恵器が出土。

●6号墳・・・経10m、石棺直葬(石棺のタイプ不明)金環、鏃、須恵器が出土。

●7号墳・・・(消滅)経25m、玉類、刀、土師器が出土。埋葬形式?

【参考文献】

・「大和葛城の大古墳群」河上邦彦著

・真美ケ丘団地予定地内の古墳の調査(白石太一郎氏、前園実知雄氏)

・広陵町HP

・奈良県遺跡地図

 

行き方

107→1号墳、110→4号墳、111→5号墳、112→6号墳 (奈良県遺跡地図より引用)