かすが

春日古墳

 藤ノ木古墳の北東150mあまりの所にあり、法隆寺もすぐそばの立地ですが、ほとんど知られていない古墳です。墳丘の南裾に小祠があり春日明神を祀っており、古墳名もここからきています。未調査のため実態がほとんどわからず、民有地で難しいかと思いますが、調査が進めば藤ノ木古墳との位置づけもより明確になると思うのですが・・

おすすめ度(☆3.0) 

★所在地:生駒郡斑鳩町

★墳形:墳丘の裾が削られているが元々30m前後の規模と思われます。現状は直径約22m、高さ約6m。墳形は不明。葺石、埴輪はなし

★埋葬施設:未調査のため不明、書物によると墳丘の表面観察から南西部斜面に1.1m☓70cmの花崗岩の石材が認められ墳丘の高さも6m前後あることから横穴式石室の可能性が高いと考えられている。(注)上記の写真の石材は祠の後部にある石材です。

★出土遺物:不明 

★築造年代:6世紀後半~7世紀初頭ごろ

★発掘調査:未

★被葬者:不明(藤ノ木古墳と同時代であれば関連が注目される。) 

 

(追記)2015.3.3 奈良新聞より

斑鳩町は2日開会した3月町議会に、春日古墳調査検討委員会設置条例案を提出した。同古墳は個人宅内にあり、これまで発掘調査は行われていなかった。藤ノ木古墳に近接した「重要な古墳」とみられることから、調査実施に向けた検討を始める。春日古墳(同町法隆寺西1丁目)は平成23年度に行われた3次元レーザー測量調査の結果、直径30メートル級の円墳と推定される。墳丘南側の斜面に2個の大型石材が露出しており、横穴式石室の羨道(せんどう)部の側壁と考えられるという。築造時期は不明。

  

 2018年2月 毎日新聞より

 県立橿原考古学研究所などが 物質を透過する力が非常に強い宇宙線「ミューオン」を使って墳丘内を調査した結果、石室とみられる空洞があることが判明したと発表しました。しかしながら、ミューオンで撮られた画像を見て、この程度の結果で何がわかるのか疑問に感じたりするのですが・・・

 

【参考文献】

・斑鳩町の古墳 (斑鳩町教育委員会)

・日本の古代遺跡4 奈良北部

・斑鳩の古墳展 (斑鳩町教育委員会)