きびひめのみこ

吉備姫王墓

 古墳としては見所はありませんが猿石目当てで訪れる観光客は多いようです。花崗岩を用いた1mほどの高さの石像です。どういう目的で作られたのかは諸説ありますが味のある奇妙な顔立ちでどこか憎めない絶妙な味があります。しかし改めてじっくり見てみると、あまり猿には似ていなようにも思ったりもします。元々一緒の場所にあったと思われる高取城跡に向かう途中の山腹にあるものが雰囲気的に一番猿石という感じかなと思いますが・・

おすすめ度(☆3.0)猿石を含め 

★所在地:高市郡明日香村平田

★墳形:円墳(径約25m??)

★石室:不明

★棺:不明

★出土遺物:不明

★築造年代:不明

★発掘調査:なし

★被葬者:不明 

 

メモ

 古墳としてのデータは全くなし。円墳状の高まりがあるのは確かであるが・・「日本の古代遺跡」保育社刊には径が25mほどと書かれているがとてもそんなにあるようには思えない。考古学者の今尾文昭氏は高さや平面形からみて古墳の墳丘とは思えないと著書「天皇陵古墳を歩く」で書かれている。日本書紀」によると、吉備姫王は643年に亡くなり、橿弓岡に葬られたとあるが真の吉備姫王墓はカナヅカ古墳説が有力。 

正面に並んでいる猿石は元々欽明天皇陵(梅山古墳)の南側の「池田」の田圃の中にあったが1702年再発掘され、のち梅山古墳の墳丘に置いて安産の神とされ信仰されてきた。しかしこの古墳が欽明天皇陵に治定された為、俗信仰にかかわる物として1872年に、この吉備姫王墓に移され今日に至る。 

 

【参考文献】

・天皇陵古墳を歩く(今尾文昭氏)

・日本の古代遺跡 奈良飛鳥(菅谷文則氏)

 

行き方