コロコロ山古墳

 元々メスリ山古墳の西方30mの所に所在していましたが、土地区画整理事業関連で発掘調査後、東隣接地に屋根を付け移築保存されています。以前、石室に入った時の印象は「移築古墳に、ここまで手をかけるか!」と言うのが正直な感想です。一応、中クラスの墳丘と石室ですが天井のコンクリートが、どうしても気になります。それでも外見は年月とともに少しは古墳ぽく(笑)なってきているのが悩ましいところです。尚、副葬品は桜井埋蔵文化センターで展示されており、金銅製の刀子は7世紀末頃に追葬時の副葬品で、日本で初めての蛇行した刀子との事です。尚、コロコロ山の由来については元々この地の人がそう呼んでた事から命名されたそうです。 

おすすめ度(☆3.0) 

★所在地:桜井市阿部字児石

★墳形:方墳(1辺約30m)で墳丘の中央にある横穴式の主体部の他、東側にも小規模な横穴式石室があった。       

★埋葬施設

中央石室:両袖式横穴式石室で全長11m、玄室長5.4m、幅2.3~2.5m、羨道長5.7m、幅1.5~1.8m。発掘調査で玄室部の床面が二面(初葬時は扁平な石材の敷石)見られ、追葬が行われた事がわかっています。又、羨道部には幅30センチの素掘りの排水口が設けられているほか礫積みの閉塞石も確認されています。

東石室:無袖式横穴式石室。全長1.8m、幅0.6m。東石室は移築されていません。

★出土品

(中央石室)【初葬時】→金環、ピンセット状鉄製品、鍔(つば)【追葬時】→鉄釘、金銅製刀子、鉄 斧、環状鉄製品  

(東石室)石室内から須恵器杯蓋、石室外から須恵器杯、蓋

★築造年代:6世紀末~7世紀初頭で7世紀中頃に追葬が行われています。

★発掘調査:1985年(1987年にこの場所に移築)

★被葬者:阿部氏の基盤地域であり関連が注目される。  

★奈良ソムリエ検定テキスト掲載古墳 

 

【参考文献】

・桜井の横穴式石室を訪ねて(桜井市教育委員会)

・桜井の横穴式石室(桜井市教育委員会)

・大和を掘る(1985年)(橿原考古学研究所)

 

行き方