こだち

小立古墳

 小立古墳は平成11年の圃場整備に伴う事前整備で発見された埋没古墳です。この古墳は丘陵上に築かれた古墳ではなく小規模な屋根に挟まれた谷部にあります。調査前までは全くその存在が知られてなかった古墳で埋葬施設は残存していなかったものの写真のように葺石が良好に残存し墳丘や周濠から、おびただしい数の埴輪や木製品が出土し注目を浴びました。 発掘後は埋め戻され今も2~3m下に残存しています。この地域では珍しい帆立貝式の古墳で桜井市で言えば国史跡の茅原大墓古墳(築造4世紀末~5世紀初)とほぼ同じ時期の古墳です。規模としては決して大きくはありませんがこの地域の有力者の墳墓でしょう。おびただしい数の埴輪が出土していますが後円部の1段目テラスの円筒埴輪が原位置を保ったまま出土し、更に5本の木製埴輪が基部が立ったまま発見され、通常の埴輪と木製埴輪の使い方がわかる数少ない古墳として貴重な存在です。埴輪類は桜井市埋蔵文化財センターで常設展示されていますが木製埴輪は特別展等でしか見られませんが、機会があれば是非ご覧になる事をお勧めします。その迫力に圧倒されます。

おすすめ度(☆1.0)埋め戻しされています。

★所在地:桜井市山田字小立(こだち)

★墳形:前方後円墳(帆立貝式)、全長34.7m、後円径27m、前方部長9m、前方部幅15.5mm、周壕幅6m。葺石あり

★埋葬施設:後円部2段目の途中から上は削平を受けている出土遺物:円筒埴輪77点、形象埴輪(鶏形、家形、舟形、盾形、蓋形、冑形、草摺形、短甲方、靫形、木製埴輪(石見形13点、靫形2点、盾形2点、太刀形1点)

★築造年代:5世紀前半頃(出土遺物より)

★発掘調査:2000年(桜井市教育委員会) 

行き方

磐余の遺跡探訪(桜井市埋蔵文化財センター)より引用