いわさかしきしやま

岩坂式シ山古墳

  岩坂に所在する直径約10~15m、高さ約2mの円墳です。破壊された古墳が多いこの地域では比較的良好な形で残こっており、もちろん石室内にも入ることが出来ます。羨道部はかなり狭いのですが、玄室は大人5~6人は余裕で入れます。写真でわかるように一部で大きな石材もありますが、ほとんどは比較的小さな石材を巧みに積み上げ、周囲の環境も相まってワイルド感が漂う古墳です。少し探し難いですが、古墳探索好きな方には、うってつけの古墳かと思います。埋葬施設は両袖式の横穴式石室で、玄室部は奥壁が3段、側壁は基本3段積みで比較的大きめの自然石を、平滑面を表面において構築されています。未調査で出土遺物は不明ですが、石室の特徴などから築造年代は6世紀後半~7世紀初め頃と考えられます。初瀬川の支流、狛川の両岸には規模は大きくないものの、横穴式石室を持つ古墳が散在しており、被葬者は初瀬谷に、居住地を持つ有力者と思われます。古くから知られていたと見え、1893(明治26)年の野淵龍潜による「大和国古墳墓取調書」にも記されており、この頃には既に開口していたようです。

おすすめ度(☆3.5)

★所在地:桜井市岩坂

★墳形:円墳(経約10~15m、高さ約2m)

★埋葬施設:両袖式横穴式石室(玄室長約4.1m、幅約1.7m、現状高さ約1.8m、現存の羨道長約2m、幅約1.1m、現状高さ約0.9m)南東に開口。

★出土遺物:不明

★築造年代:6世紀後半~7世紀初め

★発掘調査:未

★被葬者:不明(初瀬谷に居住地を持つ有力者と思われます) 

 

【参考文献】

・桜井の横穴式石室を訪ねて(桜井市教育委員会)

・奈良県遺跡地図(奈良県教育委員会)

・古墳 -桜井市古墳綜覧ー( 小島俊次氏)

国道165号線を南下し近鉄線を超え狛大石古墳から更に南下し上岩坂の上方の岩坂山の麓にある十二神社を目標に歩き更に奥に進むと分岐点があるので西側に進み粟原に向かう林道の途中の尾根の先端あたりにこの古墳があります。(奈良県遺跡地図で15-A-157がこの古墳です)上記の動画を見ていただければわかり易いかと思います。