たにくび

谷首古墳

 30年ほど前は小さな谷あいにあった古墳ですが、現在は周囲は完全に宅地化され、車で古墳に横付け出来ます。安倍文殊院にお越しの際は、是非合わせての見学がお勧めです。住宅地にある古墳だけに、古墳につきもののカマドウマやコウモリもいないので、初心者にもうってつけの古墳かも知れません。知名度は低いようですが、なかなか立派な古墳で、石棺でも残っていれば赤坂天王山古墳並みに注目されてもいい古墳です。 

おすすめ度(☆4.5)

★所在地:桜井市阿部字谷汲

★墳形:方墳(一辺約40m、高さ8.2m)現状は南北41m、東西38mで南に開口。葺石、埴輪はなし。墳頂に八幡神社の社殿がある為、西側はかなり変形しています。     

★石室:両袖式横穴式(全長13.8m)玄室長6m、幅2.8m、高さ4m、羨道長7.8m、玄門部での幅約1.7m、高さ約1.7m。奥壁は1石の2段積み、両側壁は3段で下から各段3石、3石、2石を積み羨道部は1石の1段積み。石室の企画性は石舞台古墳とよく似ています。

★棺:石室内より凝灰岩の破片が出土し、かっては家形石棺があったと考えられています。

★出土遺物:?

★築造年代:7世紀初頭~前半

★発掘調査:なし

★被葬者:阿倍氏関連のの墳墓?

 

阿部丘陵の中では最大規模を誇り、中世には墳丘が砦として利用され、現在は八幡神社が古墳の上に鎮座しています。

★奈良ソムリエ検定テキスト掲載古墳

 

【参考文献】

・桜井の横穴式石室を訪ねて(桜井市教育委員会)

・桜井の横穴式石室(桜井市教育委員会)

・古墳 -桜井市古墳綜覧ー( 小島俊次氏)            

 

行き方