あかさかてんのうざん

赤坂天王山3号墳

 国史跡、赤坂天王山古墳(1号墳)の北側にある円墳です。たまたま有名な古墳のそばにあるので目立ちませんが中級クラスの古墳です。「赤坂天王山古墳群の研究」(桜井市文化財協会)によると、実はこの古墳は1983年に橿原考古学研究所で調査されたものの、調査報告書等が出ていません。どんな事情があるのかわかりませんが、基本情報だけでも公表しないと、今の姿が果たして元の状態なのか分らないのです。例えば①石室図面から、1937年に梅原末治氏が調査された当時より、開口部付近の流入土がほぼなくなっているが、これも1983年の調査時に取り除いたのか?②開口部の閉塞石(現在約1.6m残存)の状態は、調査前の状態はどうだったのか?③玄室の敷石は元々の状態なのか、それとも調査時に積み直してるのか?

おすすめ度(☆3.5)

★所在地:桜井市倉橋字赤坂

★墳形:円墳(径30m、高さ約4.6m)段築は認められていません。埴輪、葺石はなし。南東に開口しています。尚、3号墳南面が広範囲に造成され、平坦化され、石室床面が赤坂天王山1号墳の整地面よりも低くなっており、そのことは赤坂天王山古墳1号墳が先行する古墳群の中に、割り込んで、後で築造された可能性を示しています。

★石室:両袖式横穴式石室で全長9.4m以上、玄室長4.2m、幅2.4m、現状高約3.1m, 羨道長5.2m以上、幅1.5m

★棺:不明

★出土遺物:不明

★築造年代:6世紀末~7世紀初頭

★調査:1937年に梅原末治氏(詳細不明)1983年に橿原考古学研究所(石室内の調査。須恵器等が出土しているようであるが公表されていません)

★被葬者:不明

 

【参考文献】

桜井の横穴式石室を訪ねて(桜井市教育委員会)

・赤坂天王山古墳群の研究(桜井市文化財協会)

・古墳 -桜井市古墳綜覧ー( 小島俊次氏) 

 

 

行き方