ふろぼう

風呂坊古墳群(消滅)

 残念ながら、この古墳群は既に消滅してしまいました。新聞発表が2008年8月にあり早速、副葬品の特別展示が桜井市埋蔵文化財センターであり、5号墳が部分的に未盗掘と言うこともa

り早速、見に行った際、係員の方に古墳の場所を確認しましたが「今はもう見られません」との返事。既にこの時点で古墳は消滅していたのです。貴重な古墳が又、一基つぶされました。4号墳は仕方ないにせよ5号墳は残すべき古墳と思うのですが残念です。

おすすめ度(☆1.0) 

引用:風呂坊古墳群4次調査速報展示用資料及び毎日新聞 (以下同じ)

 

★ 所在地:桜井市阿部

  風呂坊古墳群は桜井市街の南に位置する安部山丘陵の東南に張り出した屋根上に位置した古墳群で5基有り3号墳の背後に位置した4号墳、5号墳は宅地造成に伴い2008年に発掘調査が行われいずれも径15~20mの円墳で右片袖式の横穴式石室ですがかなり破壊されていました。古墳群の特徴としては4号墳でミニチュア炊飯具。1~3号墳と5号墳で金銅製カンザシや釧 が出土していることより渡来系との関連が指摘されています。詳細は以下の通りです。

 

●1~3号墳・・・1958年の県営住宅建設に伴う整地作業中に発見されたものの既に大半が削平されていました。6世紀後半以降に造られた横穴式石室と思われます。墳形や規模は不明。

1号墳の石室全長は3.2m、2号墳は石材が抜き取られており不明。3号墳は5mで両袖式石室。工事中に耳輪、銀製くちなし玉、金装銀釧、金銅製カンザシが出土しています。築造時期は6世紀末~7世紀末と考えられています。 

●4号墳・・・2007年に発見された古墳で、石材が殆ど抜かれていましたが、全長は15~20mの円墳で埋葬施設は右片袖式横穴式石室(全長5.5m、玄室長約3.5m)玄室中央に木棺2基が安置されていたようです。出土遺物はミニチュア炊飯具、馬具、土器類等。築造は出土土器より6世紀前半~中頃と思われます。 

 ●5号墳

墳丘は4号墳と同じ15~20mの円墳で東側に墳丘盛土が残存していました。石室は右片袖式の横穴式で、上半部は失われていましたが、下半部及び床面はほぼ未盗掘の状態で残っていました。石室寸法は全長6.3m、玄室長3.5m、幅2.1m羨道長2.8m、幅0.9m。東西に2基の木棺が埋葬されていたようです。出土遺物としては銀製耳環、金銅製カンザシ、銀製指輪、銀製釧、玉類、土器類、馬具築造時期は6世紀前半~中頃と考えられています。          

 

【参考文献】

・「桜井の横穴式石室を訪ねて」(桜井市教育委員会)

行き方(消滅)