うまづか

馬塚古墳

  戦後間もない昭和25年に、地主から開墾の要望があり、橿原考古学研究所で発掘調査されました。この時の様子は橿原考古学研究所の「青陵」の記念すべき第1号に末永雅雄氏が「石棺基底施設の新事実」と題し記載されています。要約すると、封土も形状もわからないほど荒れ果てていたが、調査の結果破壊は受けているものの、組み合わせ式石棺の底石や、石室を築くための基底の施設が現れ、横穴式石室であった事を確認。副葬品も一部残っており、完存した古墳では知る事ができない貴重な知見を得たとあります。

おすすめ度(☆2.5)

★所在地:桜井市箸中字南浦

★墳形:不明

★埋葬施設:南に開口する横穴式石室で組み合わ式石棺

★遺物:須恵器高坏、棗玉4点、小玉269点、鹿角装刀片、鉄鏃、石突、鉄槍破片等の鉄製品、馬具の破片

★築造年代:6世紀後半

★調査:1950年(昭和25年)橿原考古学研究所

★被葬者:不明

 

【参考文献】

・桜井の横穴式石室を訪ねて(桜井市教育委員会)

・日本の古代遺跡5 奈良中部(寺澤薫氏) 

・大三輪町史

 

行き方(まず茅原大墓古墳の位置を確認し下記のマップを参考に)

 箸中区の南、村のはずれにあります。民有地の畑の中なので、見つけにくいと思いますが、そばまで行くと大きな石材がすぐ目につきます。元位置ではないかも知れませんが、一見して古墳の石材とわかります。古墳の周りは開墾され、もともとどうなっていたのかわかりませんが、墳丘跡は一段高く見えます。見学時は民有地ですので家の方にお願いしてから見せていただくのがいいでしょう。

桜井市教育委員会作成資料を一部加筆し引用