さみたたからづか

佐味田宝塚古墳

 

   この古墳は他の大型前方後円墳が丘陵の縁辺部にあるのに対し、馬見丘陵の中央の支丘の頂部の奥深い奈良盆地が見えない場所にあり、葛城の方向を意識して立てられた可能性も考えられる古墳です。また鏡が36面も出土したことで知られます。中でも我が国唯一の出土例である家屋文鏡が有名で、古墳時代の建物の外観やその思想的背景を知るうえで重要な資料となっています。

おすすめ度(☆3.5) 

★所在地:北葛城郡河合町佐味田

★墳形:前方後円墳(復元長)(全長111m、後円部径約60m、高さ約8m、前方部幅約45m、高さ約8m)2段築成。周濠なし。葺石、埴輪あり。前方部を北東に向けています。

★埋葬施設:粘土槨(割竹形木棺の可能性大)

★出土遺物:36面の鏡(現存するのは26面と破片5面分)勾玉、管玉、銅鏃、巴形銅器、鍬形石、石製合子、石製刀子、石製剣、鑿石製品、斧形石製品、紡錘車、鎌形石、石斧

★築造年代:4世紀後半

★発掘調査:1885年(盗掘)、1986年。(埋葬部は未調査)

★被葬者:不明  

★奈良ソムリエ検定テキスト掲載古墳 

 

【参考文献】

・馬見丘陵の古墳(河合町教育委員会ほか)

・ヤマト王権と葛城氏(近つ飛鳥博物館)

・大和の古墳Ⅰ(吉村公男氏)

・大和の古墳を語る(泉森皎氏)

・考古学点描(河上邦彦氏)

・日本の古代遺跡 奈良南部(伊藤勇輔氏)

・大和葛城の大古墳群(河上邦彦氏)

・遺物が語る大和の古墳時代(泉森皎氏・伊藤勇輔氏)

・大和葛城の大古墳群 馬見古墳群(河上邦彦氏)

 

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