はたけだ

畠田古墳

 王寺町周辺は古墳が少ない地域で、古墳時代も人口が少ない地域であったと思われます。そんな中、当時、他の地域では比較的群集墳が多く見られるのですが、この古墳は単独で築かれており、規模もこの地域では最大であることから、地域の有力者の墳墓と考えられています。少し探すのが難しいかもわかりませんが古墳のある場所は綺麗に整備され周囲の環境に溶け込んでいる感じがしました。古墳そのものは小さいですが、墳丘の外護列石がいい感じに墳丘を引立て、玄室も自然石をうまく面を揃え、やや持ち送り気味で石組みされています。全体的にバランスが良く「品のよい古墳」と言う印象です。

おすすめ度(☆3.5)  

★所在地:北葛城郡王寺町明神4丁目

★墳形:円墳(径15m、高さ約4m)墳丘裾に約3mの溝が馬蹄形に巡る。南に開口。

★石室:両袖式横穴式(全長5.9m、玄室長3.2m、幅2m、高さ2.2m、羨道長2.7m、幅1.2m)

★棺:木棺(出土した釘から推定)又、耳環が3点2種類あったこと事で2体が埋葬されていたと考えられます。

★出土遺物:金環、刀装具、須恵器、土師器、鉄鏃、鉄釘、ガラス小玉

★築造年代:7世紀初頭

★発掘調査:1997年 

★被葬者:不明

 

【参考文献】

・畠田古墳 王子町(橿原考古学研究所)

 

行き方