めおとづか

夫婦塚古墳

 標高290m強の高所に単独で存在し、しかも珍しい双室墳です。西石室の側壁面には漆喰が使用され、全面に塗布されてたのか、隙間だけかは不明ですが痕跡が残ります。漆喰の分析で著名な安田博幸氏の分析によると、炭酸カルシューム含量が神明神社古墳御坊山古墳西宮古墳、御嶺山古墳、二子塚古墳の各古墳の値に近いという結果が出ていますが、いずれも大和・河内の境域にあり興味が惹かれます。        

おすすめ度(☆5.0)・・・探索の楽しさを加味

★所在地:葛城市兵家

★墳形:墳形不明(径・辺)約12~14mと推定される。高さ現状約1.2m。

★石室:二つの横穴式石室が1.36mの間隔で隣接し南に開口。

(東石室)無袖式横穴式(全長約2.1m、幅0.72~0.83m、現状高さ0.55m)漆喰は?

(西石室)無袖式横穴式(全長約2.5m、幅0.60~0.73m、現状高さ0.75m)漆喰の痕跡あり。

★棺:不明 

★出土遺物:不明

★築造年代:7世紀中葉~後半。

★発掘調査:未(1972~1973年に石室の実測のみ行われています。)

★被葬者:不明

 

【参考文献】

・当麻町夫婦塚古墳について(堀田啓一氏・伊藤勇輔氏)

・夫婦塚西石室の漆喰の分析(安田博幸氏)

・葛城と磯長谷の終末期古墳(葛城市歴史博物館)

 

行き方(参考程度ですが・・・) 

行き方メモ

 

2回目で制覇できた古墳。恐らく一人では無理だったと思う。およその位置を確認後、知人が撮ってくれた写真を参考に、高所にある古墳を目指したが・・・まず上り口の階段が判りにくい。(南阪奈道路の側道を奈良県側に向かって歩き、南阪和道の表示板で、葛城500mと書いてある近辺)やっと見つけた階段も10分ほど登れば林道になり、この時点では「案外楽やなぁ」と思って歩いていた。しかし一向に屋根に向かう気配ではない事に気づき、途中まで引き返し、わずかに人が通った痕跡のある分岐点を発見。その分岐点を右に、後はひたすら頂上を目指した。落葉に足を取られながら、約30分で頂上に到着。しかし古墳がない!南側に回り込みやっと発見!予想通り小さな古墳。よくぞこんな高所に築造したもんだと感動!今は古墳周辺は眺望がきかないが、築造当時はさぞかし素晴らしい眺めだったと思われる。見学が終わり帰路につくも、方角を間違えそうになった。注意されたし。ひとつ間違えば遭難の危険性もある。複数人で山登りのベテランと行かれる事をお薦めする。尚、石室内は入口が狭くとても入れない。写真撮影がやっとであるが双室墳だけに広角のカメラがあればベター。スリルに満ちた古墳探索であった。