しばつか

芝塚古墳群

芝塚1号墳

 土地開発が盛んに行われていた1980年代に、発掘調査されています。当初は径35mの円墳とされていましたが、全長50mの前方後円墳とわかりました。現在は保存処置がとられ整備されてはいますが、墳丘図を見てもわかるように前方部、後円部とも大幅に改変されています。尚、この古墳の西100mの地点にあった、芝塚2号墳の家形石棺がこの古墳に移築されており見学が可能です。

おすすめ度(☆3.0) 

★所在地:葛城市兵家

★墳形:前方後円墳(復元全長50m、後円部復元径35m、前方部復元幅20m)12~20m前後の周濠の痕跡あり。前方部を東に向けています。

★埋葬施設:後円部は未発掘。前方部端で古墳の主軸に斜行する箱型木棺直葬棺1基が出土。

★出土遺物:木棺内から鉄刀1本、鉄鏃8本のほか、墳丘や周濠から円筒埴輪片、朝顔形埴輪、須恵器、土器が出土。

★築造年代:6世紀前半

★発掘調査:1985年

★被葬者:不明   

芝塚2号墳・石棺

 芝塚1号墳と共に発掘調査されましたが、工事併行調査で時間的余裕なく保存処置が取られず破壊されてしまったようです。どうも調査前は墳丘の遺存状況から、たいしたものが出ないであろうという思い込みで発掘されたようです。残念ながら今は1号墳の墳丘に移設されて残る石棺だけしか見られません

★所在地:(旧)葛城市兵家

★墳形:円墳(径25m)復元長は径30m、高さ4.5~5mと思われます。周濠の痕跡あり(但し完周していない)南に開口。

★埋葬施設:片袖式横穴石室(全長8.1m、玄室長5.1m、幅2.5m、羨道長3m、幅1.5m)玄室内には二上山凝灰岩製の組合式家型石棺(石棺内、外面に朱の痕跡あり)と木棺があった。

★出土遺物:垂飾付耳飾、玉、馬具、刀、鉄製工具、須恵器等。

★築造年代:6世紀前半

★発掘調査:1985年

★被葬者:不明  

 

(参考文献)

・芝塚古墳群発掘調査既報(当麻町教育委員会・橿原考古学研究所)

・発掘 葛城山麓の古墳(葛城市歴史博物館) 

・大和を掘る(1985年)(橿原考古学研究所) 

 

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