ドーム状の石室の代表的な古墳の一つです。渡来系氏族の墳墓とみられています。玄室の高さは5.3mもあり、石舞台古墳の4.7mを凌ぐ県内で最も高い石室です。ドーム式の古墳は、この周辺に多く真弓鑵子塚古墳、与楽鑵子塚古墳、沼山古墳も同タイプの古墳です。近年、発掘調査を兼ねた墳丘の整備工事が行われ、昔はもっと竹林と雑草が生い茂り不気味な感じが冒険心をくすぐったのですが景観も一変してしまいました。現在石室は施錠され自由に中に入れないのが残念ですが扉越しではありますが石室の中は比較的明るく、この古墳の最大の特徴である玄室の高さを実感できます。
おすすめ度(☆4.0)
★所在地:高市郡高取町与楽
★墳形:方墳(一辺が35m、高さ11m)2段築成、南に開口
★石室:両袖式横穴式石室、羨道部3m、幅1.3m、玄室部長さ5.6m、幅3.5m、高さ5.1mで巨石を4~5段積みで持ち送りによるドーム型になっている(天井石は1石)
★棺:不明
★出土遺物:不明
★築造年代:7世紀前半
★発掘調査:2003年(石室内部の傷みの補修と測量及び部分的な発掘)
★被葬者:渡来系の墳墓
★奈良ソムリエ検定テキスト掲載古墳
【参考文献】
・大和の古墳を語る(伊藤勇輔氏ほか)
・-与楽カンジョ古墳・与楽鑵子塚古墳発掘調査報告書
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