昭和11年に国史跡に指定された標高341mの若草山山頂にある前方後円墳です。後円部の頂上に「鶯陵」と書かれた石碑があります。これは女流作家、清少納言が「枕草子」の文中で「みささぎは、うぐいすの、みささぎ・・・」と書いているのですが、これはこの古墳の事との伝承から、顕彰すべく享保年間に建てられたものです。墳丘は写真のように、木がほとんどないので、前方後円墳を実感できます。そして今の状態はわかりませんが、探訪時には、数か所で円筒埴輪を確認することが出来、古代ロマンを実感できました。
★所在地:奈良市雑司町
★墳形:前方後円墳(全長103m、後円部径61m、前方部幅50m)二段築成。前方部を南に向ける。埴輪、葺石あり。前方部南側に小規模な方墳(1基)と円墳(2基)が存在する(陪塚と思われる)
★埋葬施設:不明
★出土遺物:前方部より内行花文鏡が出土し、その周辺から滑石製の斧形石製品。埴輪(円筒、舟形、家形)
★築造年代:5世紀前半
★発掘調査:未調査
★被葬者:不明(鶯陵の碑の裏面に、平城坂上陵と書かれており、江戸時代の中頃までは磐之媛命陵と考えられていた時期もあったようだ)
★奈良ソムリエ検定テキスト掲載古墳