ひらばやし

平林古墳

 

 地形の関係からか?前方部が後円部より高い古墳です。羨道部の前に天井石を乗せない前庭部があり、全長は20.1mとなり長さだけ見れば県内でも五条野丸山古墳に次ぐ石室規模となります。石室は施錠されていますが扉に近づくとライトアップされる仕組みで扉越しではありますが見学は可能です。しかし石室内入って見てみたいものです。葛城市の関係者に確認しますと、一般は非公開で専門の研究者が同伴の際は認めるとの事で、いろんな理由があって公開が無理ならばせめて年に数回、限定公開の場を設定して欲しいものです。素晴らしい古墳だけにそういう配慮があれば、それが結局は文化財愛護に対する啓蒙にもなると思うのですが・・・

おすすめ度(☆4.0)・・・入室できれば満点なんですが・・  

★所在地:葛城市兵家。大和の前方後円墳は山側に前方部、盆地側に後円部が多い中、前方部を南西に向けており、例外的な立地に築造されています。

★墳形:前方後円墳(全長62m、後円部径33m、前方幅42m)墳丘に埴輪は持たない。

★埋葬施設:両袖式横穴式石室(玄室長5.7m、羨道長8.8m)前庭部あり。玄室の床面で凝灰岩の破片が見つかっており、石棺が置かれ、これに加え鉄釘も発見されており木棺もあったと考えられています。

★出土遺物:金銅製馬具類、鉄製の武器、鉄製農工具、ガラス玉。須恵器、土師器及び画文帯四仏四獣鏡などが、出土しています。

★築造年代:6世紀後半

★発掘調査:1958年、1992年

★被葬者:不明  

★奈良ソムリエ検定テキスト掲載古墳

 

【参考文献】  

・大和の古墳を語る(伊藤勇輔氏ほか) 

・大和の古墳を歩く(森下恵介氏)

・葛城の考古学(松田真一編)

・発掘 葛城山麓の古墳(葛城市歴史博物館) 

行き方