のがみ

野神古墳

  1876年に偶然地元の農民によって掘り出された古墳です。その後、墳丘土が無断で大掛かりに採土された為、墳形は明治時代の古図から、前方後円墳と考えられますが定かではありません。主体部の竪穴式石室は東壁のみ残存し、ほかの壁や天井部はコンクリートで補強され保存されています。特筆すべきは天井石と石棺で、まず残された3枚の天井石は短辺の両端に2個づつ縄掛突起が付いた珍しい形のものです。(他には県内では室宮山古墳佐紀陵山古墳(日葉酢媛命陵)など数例のみ)また石棺は全国でも10数例しかない阿蘇ピンク石製の家形石棺を持つなど、半壊されてはいるものの貴重な古墳です。ただ1967年に今のような保存処置がされましたが、年月の経過と共に保存設備もかなり痛んでおり再整備が望まれます。

おすすめ度(☆4.0) 

★所在地:奈良市南京終町野神

★墳形:前方後円墳?(明治時代の古書より)円筒埴輪あり         

★石室:後円部?に竪穴式石室あり。東壁のみ築造当時のまま。石室は長さ3.7m、幅1.1m、高さ0.8mと推定される。

★棺:凝灰岩(阿蘇ピンク石)製家形石棺で縄掛突起を6ッ持つ。

★出土遺物:銅鏡2面、玉類、鉄刀3振り、馬具が1876年に出土しているが現在全て行方不明?(橿考研か東京国立博物館にあるとの話もあるが・・)

★築造年代:5世紀中頃

★発掘調査:未

★被葬者:? 

 

【参考文献】

 ・大和の古墳を語る(伊藤勇輔氏ほか)

・奈良市史 考古編   

・大和の古墳Ⅰ(森下恵介氏)

・日本の古代遺跡 奈良北部(中井一夫氏)

・近畿の古墳文化 (泉森皎氏)

 

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