やまぐちせんづか

山口千塚古墳群

 近年、測量調査された第Ⅰ支群をメインに探索がお薦めです。他の支群も一通り探索しましたが入室できる横穴式石室が少ない上、消滅寸前の古墳も多く見ごたえは正直ありません。しかし一番奥まったところにある第Ⅰ支群の4基の横穴式石室はお薦めです。保存状態も良好です。山の南斜面を大規模な土木工事をして平坦地を作り、周辺の他の古墳群では見られない大型の横穴式石室を造営しており、極めて勢力を持った集団の墳墓と思われます。今後も継続的な調査を期待したい古墳群です。 

おすすめ度(☆4.5)・・・探索の楽しみを加味

「山口千塚古墳群」 第Ⅰ支群範囲確認調査に加筆し引用

★ 所在地:葛城市山口

★概要:葛城山東麓の谷間、東西約360m、南北150mに形成された群集墳です。近年範囲確認の為の測量調査が行われ、徐々にこの古墳群の性格がわかってきています。今回ご紹介する第Ⅰ支群では、大規模な造成工事を行い、大型の横穴式石室を主体部に持つ円墳を先行させ、周辺に小型の石室を従属的に持たせた事が想定されます。現在50基前後が見つかっていますが未発見のものや消滅したものを合わせると、約80基程度のの古墳があった可能性が考えられます。

★埋葬施設:大部分を横穴式石室ですが、1基のみ横口式石槨墳の存在が古い記録であり。

★築造年代:6世紀初頭に築造が開始され、7世紀まで古墳群の造営が続いたと考えられます。

★出土遺物:不明

★発掘調査:未(2005年~2007年範囲確認調査・葛城市教育委員会) 

 

【参考文献】

・奈良県遺跡地図

・石光山古墳群と葛城山東麓の古墳群 神庭 滋氏

・山口千塚古墳群  葛城市教育委員会

・大和の古墳を語る(泉森皎氏ほか)

・発掘 葛城山麓の古墳(葛城市歴史博物館) 

 

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