丹切古墳群/33号墳・34号墳

丹切33号墳

 丹切古墳群は円墳主体で約60基で構成され、内20基が調査されています。その中でもこの33号墳は磚積式石室で、流紋岩質凝結凝灰岩(通称、榛原石)をレンガのような形に割り、積み上げてつくられています。県立宇陀高校の校内に34号墳があり、この33号墳はフェンスを挟んだ校外にあります。この古墳だけを見る場合は学校の許可は不要ですが、許可を得て33号、34号を一緒に見るのがベストです。(学校に電話し事前予約が必要です)この33号墳は34号墳の横のフェンスの扉を開けて、道なりに階段を登っていくと約3分位で到着します。宇陀地域の磚積式石室で、常時入れるのはこの古墳のみで、素晴らしい磚積式石室を貸切り状態で満喫出来ます。

たんぎり

★所在地:宇陀市榛原

★墳形:不明     

★石室:両袖式横穴式石室(磚積式石室)石室の全長6.6m、玄室長2.9~3.1m、奥壁幅1.7m、高さ1.1~6m 、羨道長は現存は1.4mであるが石材の散乱状況から3.6m前後あったようです。

★棺:組合せ式箱形石棺。内法は長さ1.9m、幅0.4~0.5m。

★出土遺物:金環、土師器、須恵器

★築造年代:7世紀前半(古墳群としては5世紀後葉~7世紀中葉)

★発掘調査:1968~1973年(古墳群として)

★被葬者:?

  

丹切34号墳

丹切古墳群は円墳主体で約60基で構成され、内20基が調査されています。この34号墳はそばにある33号墳同様、榛原石の組合せ式箱型石棺が残されています。尚、この古墳の石室は磚積式ではなく比較的小さめの榛原石の魂石を使った石室です。奥壁部は7段で側壁は底辺から持ち送りされ、羨道部に向かうにつれ低くなっています。特に目立った特徴はありませんが榛原石の石棺は一見の価値ありかと思います。

★所在地:宇陀市榛原

★墳形:不明     

★石室:両袖式横穴式石室。全長約4.7m前後(内玄室は2.8m前後)幅は玄室で1.6m前後、羨道部で0.9m程度です。

★棺:組合式箱形石棺(東側に安置)西側のスペースにも木棺があった可能性があります)

★出土遺物:土師器、須恵器,鉄釘

★築造年代:7世紀初頭?(古墳群としては5世紀後葉~7世紀中葉)

★発掘調査:1968年

★被葬者:?

 

【参考文献】  

・宇陀・丹切古墳群 (奈良県教育委員会)

・大和の古墳を語る(伊藤勇輔氏ほか)

・日本の古代遺跡 奈良中部(寺澤薫氏)

 おすすめ度(5点満点で4点)

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