きついしろやま

狐井城山古墳

  馬見古墳群最後の大型古墳です。狐井集落にある台地の最高所に築かれ、同じ古墳群の巣山古墳や築山古墳に比べ、前方部が大きく開く新しい要素を持つ5世紀末~6世紀初頭の古墳で、この時期の大和では、狐井城山古墳が最大の古墳です。城山という名前のとおり、中世~近世にかけて、この地で勢力を持った岡氏が城砦として用いていました。埋葬部は調査されていませんが、この古墳から持ち出されたと考えられる石材が周辺にあり、あわせての見学がおすすめです。

おすすめ度(☆4.0) 

★ 所在地:香芝市狐井 

★墳形:前方後円墳(全長約140m、後円部径約90m、前方部幅約110m、周濠幅約20m、埴輪、葺石あり。前方部を北に向ける。

★埋葬施設:不明ですが、この古墳出土の可能性のある石材が周辺に5点存在します。。

①刳抜式長持形石棺蓋石1点(竜山石製・長さ2.7m、高さ0.56m、幅1.2m~1.3m)が1970年8月に前方部の北東隅の外堤に近接して流れる初田川の中から発見されました。(現在香芝市ふたがみ文化センター前庭にて公開中。)尚、家形石棺の蓋石片1点も同じ場所で発見されています。

②組合式長持形石棺蓋石2点(竜山石製)狐井城山古墳の南方550mの阿弥陀橋の東詰北側に立てておかれています。以前は橋板や用水路に転用されていました。

②組合式長持形石棺蓋石2点(竜山石製)狐井城山古墳の南方550mの阿弥陀橋の東詰北側に立てておかれています。以前は橋板や用水路に転用されていました。 

★出土遺物:不明(埴輪は墳丘や外堤から出土)

★築造年代:5世紀末~6世紀初頭

★発掘調査:1980年代に道路工事に伴う外堤の調査のみ。

★被葬者:武烈陵説がある。

 ★奈良ソムリエ検定テキスト掲載古墳

 

【参考文献】

・ヤマト王権と葛城氏(近つ飛鳥博物館) 

・大和の古墳を語る(泉森皎氏ほか)

・大和の古墳Ⅰ 馬見丘陵の古墳(吉村公男氏)

・大和葛城の大古墳群 馬見古墳群(河上邦彦氏) 

 

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