やまぐちせんづか

山口千塚4号墳

 山口千塚古墳群では最大の石室で、第Ⅰ支群の盟主墓と思われます。ある程度予備知識は頭に入れた上で石室に入ったつもりですが、予想以上に冒険心をくすぐる古墳でした。羨道部は多量の土砂で高さは90㎝ぐらいしかなく一人なら少し躊躇するかもしれません。でも勇気をふりしぼってお入りください(笑)無心で、ひたすら前に前に!匍匐前進すること約5mで広々とした玄室に到着です。怖くても玄室に入ると感動に変わるから不思議です(笑)そんなに精微な仕上げではありませんが逆にワイルドな雰囲気があって石室マニアの皆さんにはタマラン古墳と思いました。天井石には無数のこうもりが威嚇するように見つめていました。是非皆さんもどうぞ!

おすすめ度(☆4.0)

★所在地:葛城市山口

★墳形:円墳(現状東西軸15m、南北軸18m)径約23~24mの円墳と思われますが、帆立貝式の可能性も残す。西から東に向かって低くなる地形に立地していることより墳丘の標高が大きく異なる(東南側約8mに対し西側1.5m)従って東南側から見た墳形を重視して築造されたと思われます。墳丘の中位に人頭大の石材が散見し外護列石を持つ可能性があります。

★埋葬施設:両袖式横穴式石室、南南西に開口、全長約11.1m、玄室長6.1m、玄室幅3.3m、、高さ3.65m以上、羨道長5m、羨道幅1~1.35m、羨道高0.9m。(数値は全て現状値)東側側壁は、ほぼ垂直に立ち上がるが西側側壁はもち送りをしながら斜めに立ち上がっています。床面に多量の凝灰岩片があり組合せ式石室があったものと思われます。

★出土遺物:不明。

★築造年代:6世紀前半?

★発掘調査:未

★被葬者:忍海氏関連?  

 

【参考文献】

・山口千塚古墳群  葛城市教育委員会