国道169号線下山町交差点の近くにあり、赤い鳥居が目印です。この地域では数少ない、5世紀前半の前方後円墳です。1990年に
後円部墳頂に稲荷神社を建設するため、事前に発掘調査と墳丘測量調査が行われています。しかし、いかに民有地で信仰の為とはいえ、古墳が改変されてしまうのは残念です。前方部もよく見ないとわからないほど削平され畑地になっています。出土品としては短甲と眉庇付冑がよく知られており、奈良市埋蔵文化財センターで常設展示されています。保存状態も良くなかなかの逸品です。
★所在地:奈良市山町塚廻
★墳形:前方後円墳(全長70m、後円部径38m ,高さ5m ,前方部幅42m 、高さ3m)前方部を西に向け盾形の周濠が巡る。葺石なし、埴輪あり
★埋葬施設:後円部に3基の埋葬施設あり。
第1埋葬施設→(中央部・築造時に造られたと思われる)盗掘がひどく詳細不明
第2埋葬施設→(南側にあり)粘土槨
第3埋葬施設→(東側にあり)粘土槨
★出土遺物:革盾、短甲、眉庇付冑や馬具などが出土。
★築造年代:5世紀前半(帯解地区では最も古い)
★発掘調査:1990年(奈良市教育委員会)
★被葬者:不明
【参考文献】
・奈良市史
・大和の古墳Ⅰ(森下恵介氏)
・日本の古代遺跡 奈良北部(中井一夫氏).