史跡大安寺の旧境内の北東隅に位置していた事より隅山→杉山と呼ばれるようになったと考えられています。この場所は平城京の範囲内に位置しますが、寺内の築山のような存在からか、平城京造営時も壊されず残された貴重な古墳です。前方部南斜面から6基の瓦窯跡が、発掘調査時に発見されており、大安寺の瓦を焼いた窯跡と思われます。(現在1基が同じ敷地内で復元展示されています。)見学は古墳公園として管理されており、開園は月、水、金を除き午後5時までで、それ以外は施錠されています。1月に行ったせいもあるかもわかりませんが、墳丘の草や笹も少なく墳頂まで楽々あがれますので、平野部の前方後円墳を実感出来ます。
★所在地:奈良市大安寺町
★墳形:前方後円墳。全長120m、後円部径80m、現状高9m、前方幅80m、高さ7m。(復元全長は154m)3段築成で前方部を南に向け、墳丘くびれ部の東に造出しと、約30mの盾形の周濠の痕跡あり(幅約26m、深さ約1.4m)葺石、埴輪あり。
★埋葬施設:主体部は1954年に後円部の中心部分を調査しているが未確認。粘土魂が検出されている事から既に粘土槨が破壊されている可能性も・・
★出土遺物:円筒埴輪、家形埴輪。
★築造年代:5世紀後半
★発掘調査:1954年、1990年
★被葬者:不明
★奈良ソムリエ検定テキスト掲載古墳
【参考文献】
・奈良市史
・大和の古墳Ⅰ(森下恵介氏)
・日本の古代遺跡 奈良北部(中井一夫氏)
・近畿の古墳文化 (泉森皎氏)