元々、墳丘中心部を縦断する道があるなど破壊寸前の古墳でしたが、1987年の調査で帆立貝式古墳と判明し保存処置が取られました。保存方法も遺構を盛土で保存した上で築造当初の姿に再現されています。(従って葺石は築造当時のものは中で保護され、現状見えるものは再現した葺石です。埴輪も復元品)この古墳の場合この姿がベストな復元(整備)と思われます。帆立貝式古墳は、このあたりは比較的多いですが全国的には少ない方なので,初心者も構造が良く理解できるかと思います。この種の復元が多くなるのは困りますが、この古墳に限っては好ましい復元例ではないかと思います。
★所在地:北葛城郡広陵町三吉
★墳形:帆立貝式、全長45m、後円部径40m、後円部高さ6.5m、前方部長7m、前方部前端幅22.5m、前方部高さ3m、前方部を東に向ける。周濠、埴輪あり。後円部は2段築成。前方部南東隅に他に例のない張り出し部がありますが、これは墓道として作られたと考えられています。
★埋葬施設:未調査ですが、修復前まで墳丘部中心を道路が縦断していたが当時、石材等が見えなかったことより埋葬施設は粘土槨と思われますが、既に破壊されている可能性大。
★出土遺物:円筒埴輪、朝顔形埴輪の他にキヌガサ、家、甲冑などの形象埴輪も出土。。
★築造年代:5世紀後半。新木山古墳の直ぐ西にあり、新木山の陪冢の可能性を考える研究者もおられるが、新木山古墳は5世紀前半の築造であり時期的に合わず今後に課題を残す。
★発掘調査:1987年
★被葬者:不明
【参考文献】
・大和葛城の大古墳群 馬見古墳群(河上邦彦氏)
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