墳丘は当初は円墳とされていましたが、2004年に行われた4次調査で墳丘西側の範囲確認調査で六角形墳と判明しました。全国でもわずかに数基知られているだけで、飛鳥地域で確認されたのは初めて。尚、当時、天皇や皇太子は八角形墳に葬られており、それに次ぐもので皇族関係の墓とみられています。石槨の規模は高松塚より一回り大きいが、天井石の厚さは薄い。漆喰は高松塚に優るようです。発掘調査後、埋め戻され墳丘も整備?が行われましたが、かなりドギツイ化粧が施され一見、土饅頭!(UFOという声も聞く)残念ながら平成の古墳になってしまいました。
★所在地:高市郡明日香村真弓
★墳形:六角墳(下段の最長対角線約24m、高さ5.3m)墳丘は岩盤をL字に削りだし、平坦面を作り版築による盛土を行っている。2段築成
★石室:横口式石槨、二上山鹿谷寺産凝灰岩切石(長さ2.72m、幅1.29m、高さ1.36m)石槨内全面に漆喰が2~7ミリの厚さで塗られている。盗掘穴は南壁の上部にあり副葬品は徹底して持ち去られ出土品は少なかった。南に開口している。石槨は奥壁2石、側壁各3石、天井・床石各4石、閉塞石1石の合計17石で構成されている。
★棺:漆塗木棺
★出土遺物:玉類、棺金具、人骨(30歳後半~40才前半頃の男性)
★築造年代:7世紀末~8世紀初め
★発掘調査:1977.1978.1990.2004年
★被葬者:川島皇子説が有力、他に弓削皇子(ゆげのみこ)説もあり。
★奈良ソムリエ検定テキスト掲載古墳
【参考文献】
・飛鳥の奥津城(飛鳥資料館)
・考古学点描(河上邦彦氏)
・飛鳥の発掘(網干善教氏)
・日本の古代遺跡 奈良飛鳥(菅谷文則氏)