ひがしのりくら

東乗鞍古墳

  山の辺の道の、すぐそばにありますが、行先案内板等が無く、案外知られていない古墳です。石室内にはかなりの土砂が入り込み、開口部付近は特に狭いうえ、傾斜があり、下るような感じで玄室部に入ります。玄室部も羨道部同様多量の土砂が入り込んでいますが、珍しい阿蘇ピンク石製の石棺を見ることができます。感激度は桜井市の赤坂天王山古墳に及ばないものの、冒険心をくすぐる素晴らしい古墳です。(追記)2017年6月頃、久しぶりに訪れたところ石室内入室禁止になっていました。なんで急に・・「古墳の町天理」でアピール中の天理市で数少ない石室に入れる古墳だったのに残念です。

おすすめ度(☆4.5)

★所在地:天理市杣之内町乗鞍

★墳形:前方後円墳(全長75m、後円部径44m、前方部幅68m)前方部を西に向ける。葺石と埴輪はなし。後円部墳頂は大きく凹み、土砂が多量に石室内に入り込んでいます。

★石室:右片袖式横穴式石室全長14.8m(玄室長5.7m、幅2.4m、高さ3.3m)南に開口し玄室に2棺置かれており、奥に阿蘇ピンク石の刳抜式家形石棺、手前に二上山凝灰岩製の組合せ式石棺の底石の一部が残存。この周辺で石室内の石棺を見れる古墳は少なく貴重な存在です。

★出土遺物:馬具、甲冑の小札等出土の言い伝えあり。

★築造年代:6世紀前半 

★発掘調査:

(追記)毎日新聞のによると、2018年2月に前方部の一部を発掘し2段築成である事と、従来埴輪の存在は知られてなかったのですが、1段目のテラスから円筒埴輪の破片が見つかった事が報じられました。

★被葬者:不明 

★奈良ソムリエ検定テキスト掲載古墳

 

【参考文献】

・天理の古墳100(天理市教育委員会) 

・継体天皇とヤマト(橿原考古学研究所付属博物館)

・山の辺の道の遺跡を訪ねて(天理市教育委員会) 

・大和国古墳墓取調書(野淵龍潜編)

 

行き方