さき いしづかやま(せいむ) 

佐紀石塚山古墳(成務天皇陵)

おすすめ度(☆4.0)

成務天皇陵は、奈良県奈良市山陵町にある古墳です。全長220メートルの巨大な前方後円墳です。墳丘は3段築成で、周濠を巡っています。過去に数回盗掘されていおり、その記録から、埋葬施設は竪穴式石室で長持形石棺を持つことが知られています。副葬品として剣、玉、鏡が出土したという伝承がありますが、詳細は不明です。成務天皇陵は、江戸時代の元禄の頃に、成務天皇陵として治定されました。しかし、その実在性は疑われています。また、五社神古墳(神功陵)が成務陵とされていた時期もあったようです。

★所在地:奈良市山陵町

★墳形:前方後円墳、全長220m、後円部径132m、高さ19m、前方部幅112m、高さ16m。前方部を南に向ける。埴輪、葺石あり。3段築成、周濠あり(拝殿の東が二重濠になっています。)

★埋葬施設:盗掘時の記録から竪穴式石室で長持形石棺と思われます。

★副葬品:剣、玉、鏡の出土が伝えられるが詳細不明。

★築造年代:4世紀後半~5世紀前半

★発掘調査:未

★被葬者:不明

★奈良ソムリエ検定テキスト掲載古墳

 

【参考文献】

・ヤマト政権の一大勢力(今尾文昭氏)

・天皇陵古墳を歩く(今尾文昭氏)

・大和古墳めぐり(前園実知雄氏ほか)

・天皇陵総覧  成務天皇陵(鐘方正樹氏) 

行き方

 歴史の道沿いにある落ち着いた雰囲気を感じる古墳です。北側、後円部周濠に沿って、3基の方墳の陪塚が確認されています。佐紀陵山古墳(日葉酢媛陵)に寄り添うようにつくられており、巨大古墳がこんなに隣接されてつくられているのも珍しい事例です。(この古墳の場合は先に佐紀陵山古墳が築かれたことが周濠の形からわかっています。)佐紀盾列古墳群の他の古墳も含めて散策されたらいいかと思います。この辺りは緑が多く、ゆったりとした気持ちで、古墳散策が楽しめるかと思います。