丹切古墳群/15号墳・17号墳

丹切15号墳

丹切古墳群は円墳主体で約60基で構成され、内20基が調査されています。県立宇陀高校の校内に34号墳があり、この15号墳はフェンスを挟んだ校外にあります。この古墳だけを見る場合は学校の許可は不要ですが、許可を得て33号、34号を一緒に見るのがベストです。(学校に電話し事前予約が必要です)行き方はまず磚積墳の33号墳の開口部の横から尾根に上ります。尾根筋を下っていくイメージで、15号墳までおよそ5分ぐらいです。比較的楽なコースかとおもいますが、所々倒木や枯葉があるので、足元にご注意ください。少し歩くとあと、15号墳の墳丘が正面にみえてきます。調査時は対象外地域に当たる為、石室の実測のみおこなわれています。開口部からは入れませんが墳頂部に大きな穴があいています。この石室、この古墳群のなかでは、比較的大型の石材が使われているようです。奥壁部分は自然石が乱積みで5段積まれています。一方、側壁は奥壁に比べ比較的大きな石材が使われ、開口部に向かって左側の側壁は観察可能ですが、右側の側壁は一部が崩れ土砂が多量に流入しています。同様に羨道部は、本来高さは1.3m前後とおもわれますが土砂が多量にはいりこんでいます。倒木や土砂の流入で一人づつしかはいれませんが、それなりに楽しめる古墳です。

★所在地:宇陀市榛原

★墳形:径17m、高さ2m余     

★石室:右片袖式横穴式石室。全長不明、玄室長3.7m、幅(奥壁部で)は1.7m、現高2.1m、羨道長不明、幅(玄門部で)1.0m

★棺:不明

★出土遺物:不明

★築造年代:6世紀代?(古墳群としては5世紀後葉~7世紀中葉)

★発掘調査:1968年

★被葬者:?


丹切17号墳

7号墳は15号墳の東方向にあり、見つけやすい古墳です。現状、羨道部は失われ、玄室の一部だけが残っている古墳です。で全体の規模は不明ですが石室図で見る限り、15号墳より、やや小さめの石室と思われます。築造時期については未調査で遺物も検出されていませんが石室の構築状況から6世紀代の古墳と思われます。

★所在地:宇陀市榛原

★墳形:径10m、高さ2m     

★石室:横穴式石室。全長不明、半壊しており、現状は玄室長1.4m、幅(奥壁部で)は1.7m、現高1.4m1m、羨道は消失

★棺:不明

★出土遺物:不明

★築造年代:6世紀代?(古墳群としては5世紀後葉~7世紀中葉)

★発掘調査:1968年

★被葬者:?

 

【参考文献】  

・宇陀・丹切古墳群 (奈良県教育委員会)

・大和の古墳を語る(伊藤勇輔氏ほか)

・日本の古代遺跡 奈良中部(寺澤薫氏)

 

 おすすめ度(5点満点で3点)

 

行き方

このページの動画で詳しくご紹介していますのでご覧ください。