かきづか

柿塚古墳

 直径30mの平群谷では最も大きな円墳で、片袖部が羨門部の半分近くを占める明確な片袖式石室の古墳です。玄室の石組みは急な持送りで、小さな石材は下部に置き、上部には大きめの石材を巧みに組んでいます。石室内にはかなり土砂が流れ込み、現在見られる石棺は奥壁近くにありますが、どう見ても羨門側にもう1棺、埋もれているのでは、と勝手な想像をしてしまいます。初めてこの古墳に入った時、あまりに狭い開口部を見て一瞬入るのを躊躇しましたが、勇気を出して匍匐前進で突入。石室の中は天井が比較的高く、案外広く思わずその石組みに見とれる自分がいました。尚、石室内には土砂が流れ込んでおり、出る時は若干、上り坂のうえ狭いので太った方はキツイかもしれません。でも、なかなか冒険心をくすぐる素晴らしい古墳です。 

おすすめ度(☆5.0)

★所在地:生駒郡平群町椹原

★墳形:円墳(径30m、高さ約6m)南西に開口。埴輪、葺石はなし       

★石室:片袖型横穴式石室(全長10.4m、幅3.2m、高さ約3.8m、羨道部長5.2m、幅1.3m、高さ?)

★棺:玄室部に緑泥片岩の板石による組合式石棺が主軸と直交して安置されている。

★出土遺物:不明

★築造年代:6世紀前半 

★発掘調査:未

★被葬者:?

 

【参考文献】

・日本の古代遺跡 奈良北部(前園実知雄氏)

・へぐり古墳案内(平群町教育委員会) 

 

行き方