うどづか
平群谷最大の古墳で平群氏の奥津城とも考えられている古墳です。宅地造成で一時は破壊の危機に直面しましたが、地元有志の熱意で保存運動が展開され、公有地化と保存整備が行われ、現在に至っています。ただ、保存運動以前に既にかなり改変されていました。横穴式石室は大和の古墳のなかでもトップクラスの大きさを誇ります。場所は近鉄竜田川駅の西200mの所にあり駅のホームからも見ることが出来ます。普段石室は施錠されていますが教育委員会に申し込めばカギを借ることが出来ますので、石室の大きさを是非、体感してください。(扉越しで見るのと実際入って見るのとでは大違い。圧倒的な迫力で迫ってくる感じがします。)
おすすめ度(☆5.0)
★所在地:生駒郡平群町西宮
★墳形:前方後円墳(全長60m、後円部径35m、高さ約8m、前方部幅31m、後円部南に開口。
★石室:両袖式横穴式(全長14.2m)玄室長6m、幅2.8m、高さ4.3m 羨道長8.2m、幅1.9m、高さ2m
★棺:玄室部と羨道部に組合式石棺
★出土遺物:玄室の奥壁部に、土器類、馬具、矢、鉾、鋸、刀子、石棺の東と北側に、武器、土器、鏡が置かれ石棺のまわりに日常の愛用品が置いてあった。これらは武具等は石室に立てかけ、生前の住まいを墓に再現しようとしたと考えられている。この他、石室の前庭部で人物埴輪、形象埴輪が見つかっており、初期には墳頂部に置かれた埴輪が、この頃には石室の入口部に移ってきており、埴輪祭祀の終焉段階の資料として貴重な例である。県下では最も新しい段階(6世紀後半)での利用例で、平群谷では埴輪が遅くまで利用された事がわかる。
★築造年代:6世紀後半
★発掘調査:1969年、橿考研が発掘。
★被葬者:?
★奈良ソムリエ検定テキスト掲載古墳
【参考文献】
・大和の古墳を語る(泉森皎氏)
・日本の古代遺跡 奈良北部(前園実知雄氏)
・観光ボランティアガイド養成講座 見学資料.04(平群町教育委員会)
・へぐり古墳案内(平群町教育委員会)
・ふるさとへぐり再発見(平群町教育委員会)
・遺物が語る大和の古墳時代(泉森皎氏・伊藤勇輔氏)
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