岩屋山亜式の古墳で、明日香村の岩屋山古墳に先行する古墳と考えられています。桜井中学前の信号から5分程度で手軽に見学ができます。特に目立つ古墳ではありませんが、切石状の巨石が使われ、それなりに見応えがあります。季節により熊笹等で多少見つけ難い時もありますが、開口部は説明板のすぐ右上にあります。周辺には、こうぜ古墳群、兜塚古墳、舞谷古墳群、メスリ山古墳等各時代のいろんなタイプの古墳があるのでセットで見学がおすすめです。
図面は桜井の横穴式石室を訪ねて(桜井市教育委員会)より引用
★所在地:桜井市浅古字秋殿
★墳形:鳥見山南麓に派生する一尾根の先端部の南西斜面に築かれた、一辺約24m、高さ約5mの方墳です。
★石室:玄室の石積みは2段積み、羨道は1段積みで南に開口する両袖式横穴式,(全長11.2m) 玄室長4.5m、幅2.3m、高2.4m、
羨道幅1.7m、高1.4m。石室は墳丘の中心軸からやや西寄りに築かれている関係で、谷間に接する南側や東側の墳丘が広くなり、視覚的に全体が大きく見える効果を狙ったものと考えられています。石室の構成は岩屋山式に共通するところが多いですが、飛鳥の塚本古墳、打上古墳とは類似性があり、岩屋山古墳よりやや先行する古墳と考えられています。
★棺:不明
★出土遺物:不明
★築造年代:7世紀前半
★発掘調査:測量調査のみ
★被葬者:?
【参考文献】
・桜井の横穴式石室を訪ねて(桜井市教育委員会)
・桜井の横穴式石室(桜井市教育委員会)
・2006年度 発掘調査報告書 (桜井市文化財協会)
・古墳 -桜井市古墳綜覧ー( 小島俊次氏)