馬見古墳群の中央群に位置します。元々民有地で1975年10月~1976年7月にかけて土取りにより墳丘の1/4破壊された為、緊急調査が行われました。1976年に国史跡として保存される事となり、1988・1989年度に史跡整備事業に伴う発掘調査が実施されました。以降整備工事が行われ現在は土取りされた墳丘東半分を築造当時に復原し、残された西半分は遺存状況のまま保存されています。墳丘の1/4が破壊されていたので、幸か不幸かこういう整備方法になったもので、この古墳としての整備方法としては正解かなとおもいます。視覚的にわかるので一般の方の古墳に対する認識度アップにも貢献しているものと思われます。
★所在地:北葛城郡河合町大字佐味田
★墳形:前方後円墳(全長105m、後円部径64m、高さ8.8m、前方部幅70m、高さ6m)埴輪列、葺石あり。後円部3段、前方部2段築成。東側くびれ部で墳丘上に通じる通路が見つかっています。
★埋葬施設:前方部(粘土槨+組合箱型木棺)、後円部は未発掘であるが粘土槨らしきものが認められています。
★出土遺物:蓋形、盾形、囲み形等の形象埴輪の破片、滑石製模造品(刀子、鑓カンナ、斧等の農工具類)
★築造年代:5世紀前半
★発掘調査:1988・1989年度に史跡整備事業に伴う発掘調査を実施
★被葬者:不明
★奈良ソムリエ検定テキスト掲載古墳
【参考文献】
・ヤマト王権と葛城氏(近つ飛鳥博物館)
・大和の古墳Ⅰ 馬見丘陵の古墳(吉村公男氏)
・大和葛城の大古墳群 馬見古墳群(河上邦彦氏)
・ナガレ山古墳 パンフレット(河合町教育委員会)
・大和の古代遺跡案内(泉森皎氏)
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