周濠を伴う大円墳で堤の外径は112mにも及び、惜しくも墳丘の上半分が失われていますが、石室規模においては石舞台古墳に匹敵する古墳です。初めて見た時は度肝をぬかれ、何故こんな素晴らしい古墳があまり知られてないのか不思議に思ったものですが、数十年経った今も相変わらずマイナーな古墳です。場所がわかり難いのも原因の一つかも知れません。墳丘や石室は写真でもわかるように半壊していますが、残っている巨石だけでも十分、築造当時の姿を窺い知ることが出来ます。幸か不幸か天井部がないので上から見下ろしてみる石室もド迫力!!。この古墳は見て欲しい古墳ではなく「見るべき古墳」と思います。それくらい見応えのある古墳です。
★所在地:天理市匂田町塚穴山
★墳形丘:調査前までは前方後円墳と思われていましたが、調査の結果円墳(径約63m)と判明。高さは現状で約6m。周濠あり(幅、約15m)
★石室:両袖式横穴式(全長17m)玄室長7m、幅2.9m、高3.5m以上、羨道部長約9.5m、幅約2.6m。南に開口。石組みは巨石を玄室の1段目から羨道部まで、同じ高さで続けて並べる構築法は、石舞台古墳と共通する。
★棺:不明
★出土遺物:須恵器片(他は殆ど中世の遺物)
★築造年代:7世紀初め(須恵器の破片及び石室形状より)
★発掘調査:1964年(学校関係施設の建設に伴う事前調査)
★被葬者:不明(物部氏の拠点に築かれており関連が注目されます)
【参考文献】
・天理の古墳100(天理市教育委員会)
・天理市史 天理市
・物部氏の巨大石室 塚穴山古墳 講演会資料 天理参考館
・山の辺の道の遺跡を訪ねて(天理市教育委員会)
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